民話に出てくる松葉ガニ
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鳥取県東部鳥取市の南部に佐治(さじ)町(旧八頭郡佐治村)という村がある。佐治谷の奥深い村で周辺に光源がなく天体観測に適しているため口径103cmの反射式望遠鏡を備えた天文台を擁するさじアストロパークで知られている。
さじアストロパーク
鳥取に「佐治谷の阿呆話」というだいたいが佐治のお惚け者が鳥取へ出てきて行う失敗談という作りになっている一連の民話が伝わっており、その中にカニにまつわる話がある。聞く人によって仔細の相違はあるがだいたいこんな感じ。
佐治谷の若いもんが鳥取から嫁をもらった歳の暮れ、嫁さんの里によばれに行く(鳥取弁でご馳走をいただきに行くという意味)事になった。
嫁さんは旦那がカニを食べたことが無いからと「今じぶんならきっとカニがでるけぇちゃんとふんどし(カニのエラの事)を取って食べっだで」と言い聞かせておいた。
さて、嫁さんの里にきた旦那、言われた通りにカニが出されたので、嫁の言いつけどおりせなーいけんと、帯を解き自分のふんどしを外しだした。
里の者は何事かと問いただすと「ふんどしを取って食うもんだと言われたけぇ」それを聞いた一堂は「やっぱり佐治のもんはだらず(鳥取弁で阿呆の意味)だなぁ」と大笑いしましたとさ。
子供の頃祖母がカニの身を取ってくれながら話してくれた記憶がある。
祖母は魚の行商をしていたからという訳ではないだろうが、貧乏な家であったがコタツの上には茹でた親ガニがザルに山盛りで、オヤツと言えば親ガニなんて時期もあったなぁ。
店長とかは漁師だから今でも当たり前かもしれないけどもw