松葉ガニである事のプライド
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ふと用事があって土産物屋さんの前を通りかかり、その店先でカニが売っていたのだが当然チェック！
3000円とか4000円とか微妙な値段が踊っていて鳥取産であれば間違いなく「松葉ガニ」と書くところだが「ズワイガニ」と書いてある。近くによると小さくロシア産と書いてある冷凍の品。隣にはこれも冷凍のポーションと呼ばれる剥き身のカニ脚、ロシア産がいかんとは言わないが、ロシア産、オホーツク産はオオズワイガニというズワイガニより大型で味の落ちるタイプの場合も多い。本ズワイであったとしても、北陸から西の漁場で獲られたズワイガニが越前ガニや間人ガニ、そして松葉ガニと特別な物として扱われてきた事を見れば判るように味わいがぜんぜん違うのである。値段なりと言えばそれまでであるしお土産に手ごろな値段である必要もあるだろう。が、この時期に鳥取に来てカニをかって帰ったならばあくまでもそれは「鳥取のカニ」なんである。
来年から因幡の祭典というイベントがあり、そのキャラクターに「カニーラ」という松葉ガニをモチーフにしたキャラクターが設定されている事にみても県民の多くが郷土の自慢として「松葉ガニ」を大事に思っているのだ。私たちネットでカニを売る者も地方へお届けする以上「松葉ガニって美味しい」と思ってもらいたいし、決してがっかりするような事がないよう最大限よい状態でいい物を届けるべきで、一つ一つのご注文を鳥取の代表選手として送り出しているつもりだし漁師がやっている他のサイト運営者も同じ気持ちであろう。だからたとえ土産物屋さんといえどそういった気持ちを少しでも感じていただきたいと思うのだ。
そしてもうひとつ腹立たしいことが…
最近ネット上の一部の業者が「北海松葉ガニ（オホーツク産？）」とか「黄金松葉ガニ（ズワイとベニズワイの交雑種のようだ）」とかのように「松葉」の名前を安易に名乗る業者に憤りを感じる。商標でも地名でもないから名乗ったもの勝ちというのであれば偽装とまでは言わないが消費者の錯誤を期待するこれらのネーミングは決してモラルある商売とは言えないだろう。上で書いたように多くの人のクオリティを保つという想いを引き継いだ名前なのであるから松葉ガニ産地の漁業者、漁協は厳に抗議すべきだと思う。
